40代になると、老後資金のことが急に現実味を帯びてきます。
20代や30代の頃も、老後のことをまったく
考えていなかったわけではありません。
ただ、その頃はどこか「まだ先の話」と思えていました。
ところが40代になると、子どもの教育費、住宅ローン、親のこと、
自分自身の働き方など、いろいろな問題が同時に見えてきます。
そして、その先にあるのが老後資金です。
私は40代後半の会社員として働きながら、50歳までの
サイドFIREを目指しています。
その中で感じるのは、老後資金の不安は
「年金がもらえるかどうか」だけではないということです。
むしろ大事なのは、年金でどこまで生活費をまかなえるのか。
足りない分をどう補うのか。
そして、その不足額が何年続くのか。
この3つだと思っています。
年金だけで足りるかは、生活費によって変わる
老後資金の話になると、よく「年金だけで暮らせるのか」と
いう不安が出てきます。
ただ、この問いに対する答えは、家庭によって大きく変わります。
なぜなら、老後の生活費が月20万円の家庭と、月35万円の家庭では、
必要なお金がまったく違うからです。
日本年金機構によると、令和8年度の標準的な厚生年金額は、
夫婦2人分の老齢基礎年金を含めて月237,279円とされています。
もちろん、これは平均的な収入で40年間働いた場合のモデルです。
実際の年金額は、現役時代の収入、働いた期間、共働きか
どうかによって変わります。
ただ、老後資金を考えるうえで、ひとつの目安にはなります。
仮に夫婦で月23.7万円の年金収入があるとして、生活費が
月25万円なら不足額は月1.3万円ほどです。
年間では約16万円です。
一方で、生活費が月30万円なら不足額は月6.3万円。
年間では約76万円です。
生活費が月35万円なら不足額は月11.3万円。
年間では約136万円です。
この差はかなり大きいです。
老後資金の不安は、年金額だけで決まるのではなく、
「自分たちが毎月いくらで暮らすのか」によって大きく変わります。
65歳以上夫婦世帯の家計は、平均でも赤字になりやすい
総務省の家計調査を見ると、65歳以上の夫婦のみ無職世帯では、
2025年の可処分所得が月221,544円、消費支出が月263,534円と
されています。
単純に見ると、毎月約4.2万円の不足です。
年間では約50万円。
20年続けば約1,000万円。
30年続けば約1,500万円になります。
もちろん、これは平均値です。
実際には、住宅ローンが残っているか、持ち家か賃貸か、車を持つか、
医療費がどれくらいか、旅行や趣味にどれくらい使うかで大きく変わります。
ただ、平均的な老後世帯でも、年金収入だけでは毎月の支出をすべて
まかなえない可能性がある、という現実は知っておく必要があります。
以前、金融庁の報告書をきっかけに「老後2,000万円問題」が
話題になりました。
これは、高齢夫婦無職世帯で毎月約5万円の不足が続くと、
20年で約1,300万円、30年で約2,000万円の取り崩しが
必要になる、という考え方でした。
この数字だけが一人歩きしてしまった部分もあると思います。
老後に必ず2,000万円必要という意味ではありません。
反対に、2,000万円あれば必ず安心という意味でもありません。
大切なのは、「毎月の不足額×老後の年数」で考えることだと思います。
不安の正体は、老後が長いこと
老後資金が不安になる理由のひとつは、老後期間が長いことです。
65歳で退職したとして、85歳までなら20年。
90歳までなら25年。
95歳までなら30年あります。
30年という期間は、かなり長いです。
仮に毎月5万円の不足なら、年間60万円。
30年で1,800万円です。
毎月10万円の不足なら、年間120万円。
30年で3,600万円です。
このように考えると、老後資金の不安は
「大きな金額が必要だから怖い」というより、
「毎月の不足が長く続くから怖い」のだと感じます。
私自身も、サイドFIREを考える中で、資産額だけを
見ていても安心できないと感じるようになりました。
5,000万円あるから安心。
1億円ないから不安。
そう単純には言えません。
たとえば、生活費が低く、年金や配当、少しの労働収入で
不足額を抑えられる人は、必要な資産額も小さくなります。
一方で、生活費が大きいままだと、かなり大きな資産が
あっても不安は残ります。
つまり、老後資金を考えるうえでは、資産額だけでなく、
生活費をどこまで整えられるかが重要だと思っています。
40代で考えるべきは、老後資金の「総額」より不足額
老後資金というと、どうしても
「いくら貯めればいいのか」という話になります。
2,000万円なのか。
3,000万円なのか。
5,000万円なのか。
もちろん、目標額を考えることは大切です。
ただ、40代会社員がまず考えるべきなのは、老後資金の
総額よりも、毎月の不足額ではないかと思います。
たとえば、老後の生活費を月30万円と想定します。
年金見込み額が月24万円なら、不足額は月6万円です。
年間では72万円。
20年で1,440万円。
30年で2,160万円です。
一方で、生活費を月27万円にできれば、不足額は月3万円になります。
年間36万円。
20年で720万円。
30年で1,080万円です。
生活費が月3万円違うだけで、30年では1,080万円の差になります。
これは非常に大きいです。
だから私は、老後資金を考えるときに、投資でいくら増やすかだけでなく、
毎月いくらで暮らせるかを重視しています。
投資の成果は相場に左右されます。
でも、固定費や生活費の見直しは、自分でコントロールしやすい部分です。
40代のうちに、通信費、保険料、車関連費、サブスク、住宅ローンなどを
見直しておくことは、老後資金対策にもつながると思います。
会社員だからこそ、年金見込み額を確認したい
40代会社員の場合、老後資金を考えるうえで、
まず確認したいのが年金見込み額です。
「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を見れば、
将来の年金見込み額を確認できます。
もちろん、今後の働き方や収入によって
変わる部分はあります。
それでも、現時点の目安を知るだけで、
老後資金の見え方は変わります。
私自身も、老後資金を考えるときは、まず年金をゼロと
して考えるのではなく、年金をベースにして不足分を
どう補うかで考える方が現実的だと思っています。
年金だけで完全に安心するのは難しいかもしれません。
ただ、年金があるからこそ、退職金、企業年金、資産運用、
配当、少しの労働収入を組み合わせることで、老後の
生活設計はかなり現実的になります。
サイドFIREを目指す場合も、年金開始前と年金開始後では、
必要なお金の考え方が変わります。
50代で退職するなら、60代前半から年金開始までの
期間をどうつなぐか。
65歳以降は年金をベースに不足分をどう補うか。
このように分けて考えることが大切だと思います。
老後資金の不安を小さくするために今できること
老後資金の不安を完全になくすことは難しいと思います。
物価も変わります。
医療費や介護費も読みにくいです。
働き方や家族の状況も変わるかもしれません。
それでも、40代の今からできることはあります。
まず、毎月の生活費を把握することです。
次に、固定費を見直すことです。
そして、年金見込み額を確認することです。
さらに、退職金や企業年金がある人は、それも含めて
老後資金を考える必要があります。
私は、老後資金対策は「一発逆転」ではなく、
地味な積み重ねだと思っています。
毎月の支出を把握する。
無理のない範囲で資産形成を続ける。
固定費を整える。
住宅ローンの残高を確認する。
年金見込み額を確認する。
退職後も少し収入を得る方法を考える。
こうした積み重ねが、将来の不安を少しずつ小さくしてくれるのではないでしょうか。
まとめ:年金だけで考えず、不足額で考える
40代会社員が老後資金で不安になるのは、自然なことだと思います。
教育費、住宅ローン、老後資金、親のこと、働き方の不安。
いろいろなことが重なる時期だからです。
ただ、老後資金は、漠然と不安になるよりも、数字で
整理した方が見えやすくなります。
年金見込み額はいくらか。
老後の生活費はいくらか。
毎月の不足額はいくらか。
その不足が何年続くのか。
退職金や企業年金、資産運用、働く収入でどう補うのか。
この順番で考えると、老後資金の不安は少し具体的になります。
大切なのは、「年金だけで足りるか」と一言で考えるのではなく、
「年金をベースにして、足りない分をどう補うか」と考えること
だと思います。
40代は、不安が増える時期です。
でも同時に、まだ見直せる時間が残っている時期でもあります。
今の生活費を知る。
固定費を整える。
年金見込み額を確認する。
老後の不足額を数字で考える。
その積み重ねが、将来の働き方や暮らし方の選択肢を
広げてくれるはずです。
私自身も、50歳までのサイドFIREを目指しながら、
老後資金については楽観しすぎず、悲観しすぎず、
数字で確認しながら準備していきたいと思っています。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、
特定の金融商品や投資方法をすすめるものではありません。
年金額や必要な老後資金は、働き方・家族構成・生活費に
よって異なります。
実際の判断は、ご自身の状況に合わせて無理のない範囲で行ってください。



