資産を増やすなら、できるだけ多くのお金を
株式に投資したほうがいい。
以前の私は、かなり強くそう考えていました。
現在48歳。金融資産は約5,800万円まで増えましたが、
2030年4月、53歳前後で会社を辞めることを目標にしています。
退職まで残り約4年です。
これまでは「53歳までにいくら増やせるか」を優先し、
米国株、日本株、投資信託、ETFなどへ積極的に投資してきました。
ところが、資産が増えるほど株価が気になるようになりました。
朝は米国株、昼は日本株、夜は総資産を確認する。
相場が大きく動いた日は、仕事中も含み損益が頭から離れません。
この状態で会社を辞めたら、本当に落ち着いて暮らせるのか。
そう考えた結果、今後は株式だけでなく、日本国債、高配当ETF、
現金を意識して増やすことにしました。
今回は、53歳退職を目指す私が「増やす投資」から少しずつ
「使うための資産づくり」へ移行する理由を、具体的な数字で整理します。
資産5,800万円でも安心できなかった
まず、現在の状況です。
| 項目 | 現在の状況・目標 |
|---|---|
| 現在の年齢 | 48歳 |
| 目標退職時期 | 2030年4月 |
| 退職時の年齢 | 53歳前後 |
| 金融資産 | 約5,800万円 |
| 退職後の生活費 | 月35万円 |
| 年間生活費 | 420万円 |
| 65歳以降の夫婦の年金見込み | 月約21万円 |
| 目標とする年間配当金 | 120万~150万円 |
総務省統計局の「家計調査」によると、
2025年の二人以上世帯の消費支出は、
1世帯当たり月31万4,001円でした。
私が想定する月35万円は、
この平均より約3万6,000円多い金額です。
住宅ローン、マンションの管理費や修繕積立金、固定資産税、
車、教育費、親の介護などを考えると、退職した瞬間に生活費を
大きく下げられるとは思っていません。
53歳から公的年金を受け取る65歳までは12年間あります。
仮に収入がまったくなく、月35万円をすべて資産から支出すると、
420万円×12年=5,040万円
が必要です。
実際には配当金、副業収入、失業給付、退職金などもあるため、
5,040万円をすべて現金で準備する必要はありません。
ただし、「資産が5,800万円あるから大丈夫」とも言い切れません。
その5,800万円が株式中心なら、退職直前に相場が20%下落するだけで、
評価額は大きく減ってしまうからです。
日本国債を増やす理由
私が守りの資産として増やしたいのが、
財務省の個人向け国債「変動10年」です。
変動10年は半年ごとに適用金利が見直され、
最低金利として年0.05%が設定されています。
発行後1年を経過すれば、直前2回分の利子相当額が
差し引かれるものの、中途換金もできます。
2026年8月募集の第197回債は、当初の適用利率が年1.87%、
税引き後で年1.49%です。
金利は今後変わるため、この利率が10年間続くわけではありません。
仮に50万円を年1.87%で保有すると、1年間の利子は税引き前で、
50万円×1.87%=9,350円
です。
正直、株式の値上がり益と比べれば地味です。
それでも、国債に期待しているのは大きな利益ではありません。
株価が暴落したときに、株式を安値で売らずに済むことです。
金融庁も、株式や投資信託には元本割れの可能性があり、
リスクと付き合いながら資産形成をするには
長期・積立・分散が重要だと説明しています。
私の場合、商品数は多くても、値動きのある
株式系資産に偏っていました。
日本株と米国株を持っていても、世界的な株価下落では
両方が下がる可能性があります。
そこで、個人向け国債を50万円単位で少しずつ購入し、
株式と異なる役割を持たせます。
高配当ETFを増やす理由
2つ目は、高配当ETFです。
私は退職後、資産を毎月売却するだけでなく、
配当金を生活費の一部に充てたいと考えています。
65歳以降の夫婦の年金見込みは、
月約21万円、年間約252万円です。
年間生活費420万円との差は、
420万円-252万円=168万円
です。
仮に年間120万円の配当金があれば、
252万円+120万円=372万円
となり、
不足額は年間48万円、月平均4万円まで縮小します。

もちろん、配当金は保証されていません。
企業の業績や運用商品の方針によって、
減配や分配金の変更もあります。
また、年間120万円の配当を得るために必要な元本は、
利回りによって変わります。

高い利回りだけを追えば、減配や株価下落のリスクも大きく
なりやすいため、私は利回りの高さだけで商品を選ばないようにします。
現在は、国内高配当ETFの1489を合計43万5,000円、
毎月11万円ずつ購入する計画です。
米国高配当株式についても、新NISAを使って
毎月10万円の積み立てを続けます。
一度にまとまった金額を投資しないのは、購入直後の下落で
気持ちが揺れるのを避けたいからです。
金融庁も、一定額を継続して投資する積立投資には、
高いときだけ買ってしまったり、安いときに買えなかったり
することを避けやすいという特徴があると説明しています。
高配当ETFは安全資産ではありません。
それでも、複数の企業に分散しながら配当収入を育てる方法として、
私には個別の高配当株だけを増やすより続けやすいと感じています。
現金を増やす理由
3つ目は、現金です。
少し前まで、私の現金比率は総資産の約3%でした。
5,800万円の3%は約174万円です。
月35万円で生活すると、
174万円÷35万円=約5カ月
しか持ちません。
その後、値動きの大きい保有株の一部を整理し、
現金は約310万円まで増えました。
ただし、
そのうち約150万円は今後の積み立てを続けるための資金です。
生活費として自由に使える現金とは分けて考える必要があります。
私が退職までに準備したい現金は、最低でも生活費1年分の420万円、
できれば2年分の840万円です。
株価が大きく下がっても、1~2年間は株式を売却せずに生活できる。
この余裕があれば、相場が悪いときに慌てて判断する可能性を減らせます。
現金はほとんど増えないため、
以前は「投資しないともったいない」と思っていました。
しかし、退職が近づいた今は、現金を持つことも
立派な資産運用だと考えるようになりました。
利益を生むための資産ではなく、生活と判断力を守るための資産です。
3つの資産にはそれぞれ違う役割がある
私の中では、日本国債、高配当ETF、現金の役割は明確に分かれています。

すべてを国債と現金に移せば、株価の下落は気になりにくくなります。
しかし、53歳で退職すると、その後の運用期間は30年以上になる
可能性があります。
物価上昇を考えれば、株式による成長も必要です。
反対に、株式だけで退職日を迎えると、
暴落時に生活費を取り崩す不安が残ります。
だから私は、どれか一つに正解を求めるのではなく、
それぞれに仕事をさせたいと考えています。
最大リターンより、退職後も続けられる配分へ
これまでの私は、
53歳までに資産を最大限増やすことを重視していました。
今でも資産を増やしたい気持ちはありますし、
株式投資をやめるつもりもありません。
ただ、退職後は毎月の給料が入ってきません。
相場が下がったときに追加投資する余裕も、
会社員時代ほどはなくなります。
そのため、2027年から2028年までは成長資産への投資を続けながら、
2029年以降は値動きの大きい商品を段階的に整理し、日本国債、
高配当ETF、現金の比率を増やす方針です。
退職日に資産額が最も多いことより、退職直後に
株価が下がっても計画を変更せずに済むこと。
今の私にとっては、こちらのほうが大切です。
日本国債は暴落時の支え、高配当ETFは将来の収入、
現金は時間を買うための資産です。
53歳で会社を辞めた後も、株価を毎日確認せずに暮らせる
状態を目指して、残り約4年で少しずつ守りを固めていきます。
参考にした公的資料
※本記事は、私自身の資産形成と退職計画を整理したものです。特定の金融商品への投資を勧めるものではありません。
合わせて読んでいただければうれしいです




