「あと数カ月で会社を辞める」
そう決めた直後に、株価が30%下落したらどうするか。
現在48歳の私は、2030年4月末、53歳前後で会社を
退職することを目標にしています。
順調に資産が増えれば退職できる可能性はありますが、
株式市場が私の退職予定に合わせて動いてくれるわけ
ではありません。
むしろ、一番避けたいのは、退職直前に株価が暴落し、
生活費を確保するために値下がりした資産を売却することです。
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは、S&P500が
直近の高値から20%下落することを弱気相場の基準と
しています。
また、S&Pグローバルによると、リーマン・ショックが
起きた2008年のS&P500は年間で37%下落しました。
30%を超える下落は頻繁に起きるものではありませんが、
53歳からの退職計画を考えるなら、「起きないだろう」では
なく、「起きても生活できるか」を確認しておく必要があります。
今回は、53歳で退職する直前に株価が暴落した場合に
備えて、私自身が考えている5つの対策を整理します。
私の退職計画と暴落時の影響
まず、現在の前提を整理します。
| 項目 | 私の場合 |
|---|---|
| 現在の年齢 | 48歳 |
| 目標退職時期 | 2030年4月末 |
| 退職時の年齢 | 53歳前後 |
| 退職後の生活費 | 月35万円 |
| 年間生活費 | 420万円 |
| 退職後の配当目標 | 年間120万〜150万円 |
| 退職前に確保したい現金 | 生活費1〜2年分 |
| 65歳以降の夫婦の年金見込み | 月約21万円 |
仮に53歳時点の金融資産が8,500万円あり、その80%にあたる
6,800万円を株式などのリスク資産で保有していたとします。
その状態で株価が30%下落すると、
6,800万円×30%=2,040万円
の評価額が減少します。
金融資産全体では、8,500万円から約6,460万円まで減る計算です。

もちろん、売却しなければ損失が確定するわけではありません。
しかし、退職後は毎月の給与がなくなります。
生活費を捻出するために売却しなければならない状況なら、
「回復するまで待つ」という選択が難しくなります。
この問題を避けるために、私は次の5つを準備したいと考えています。
対策1 生活費2年分を現金で確保する
最も分かりやすい対策は、株式を売らなくても
生活できる現金を準備することです。
私が想定している生活費は月35万円、年間420万円です。
生活費1年分なら420万円、2年分なら840万円になります。
退職後に年間120万円の配当金を受け取れる場合、
生活費との差額は年間300万円です。
420万円-120万円=300万円
この不足分だけを現金で補うなら、
840万円で約2.8年分を確保できます。
ただし、退職した年には住民税、健康保険料、
国民年金保険料なども残ります。
前回の試算では、退職初年度の税金・社会保険料として、
生活費とは別に約200万円を準備したいと考えました。
そのため、私が退職時に目標とする現金は、
生活費2年分840万円+税金・社会保険料200万円=
約1,040万円です。

現在の私は金融資産に対する現金比率が低く、
すぐにこの金額を用意できる状態ではありません。
だからこそ、2029年以降は資産を増やすことだけでなく、
退職後に使う現金を計画的に確保する必要があります。
対策2 退職前に株式の比率を少しずつ下げる
退職する直前に、株式をまとめて売却して現金化する
方法は取りたくありません。
売却予定日に株価が高いとは限らないからです。
私は2027年から2028年末までは資産拡大を優先し、
2029年以降は一部の個別株、テーマ型商品、値動きの
大きい資産を段階的に整理する予定です。
売却資金は、SBI・SCHD、SBI日本高配当株式、
個人向け国債変動10年、現金などへ振り分ける方針です。
金融庁は、投資のリターンそのものをコントロールする
ことはできなくても、長期・積立・分散によってリスクを
抑えることはできると説明しています。
ただし、分散していても株式中心の資産は、
暴落時に一緒に値下がりすることがあります。
退職直前は「何に投資すれば一番増えるか」だけでなく、
「下落しても売らずに待てるか」で資産配分を考えたい
と思います。
対策3 取り崩す順番を事前に決めておく
暴落が起きてから、どの資産を売るか考えると、
冷静に判断できないかもしれません。
そこで、退職前に取り崩す順番を決めておきます。
私が現時点で考えている順番は、次のとおりです。
- 給付金や副業収入
- 配当金・分配金
- 退職前に確保した現金
- 個人向け国債など値動きの小さい資産
- 株式・投資信託
株価が大きく下落している間は、
できるだけ1から4までで生活し、
株式の売却を急がない方針です。
金融庁のNISA関連資料でも、積み立てたリスク資産を
一括で解約する必要はなく、取り崩しも少しずつ行う
考え方が紹介されています。
資産をすべて現金に変えるのでも、株式を持ち続けて
現金をほとんど残さないのでもなく、必要な分を
段階的に取り崩す形が私には合っていると思います。
対策4 生活費を一時的に下げられるようにする
退職後の生活費は月35万円、年間420万円で計算しています。
ただし、暴落した年も必ず420万円を使わなければ
ならないわけではありません。
旅行、外食、大きな買い物、車の買い替えなどを
一時的に抑え、生活費を月30万円まで下げられれば、
年間支出は360万円です。
配当金が年間120万円なら、資産から補う金額は、
360万円-120万円=240万円
になります。
通常時の不足額300万円と比べると、年間60万円を
減らせます。2年間続ければ120万円です。
もちろん、医療費、介護費、住宅ローン、管理費など、
簡単には減らせない支出もあります。
そのため、退職前に支出を「必ず必要な費用」と
「状況に応じて減らせる費用」に分けておく予定です。
退職後の生活を極端に我慢するのではなく、相場が悪い時期
だけ支出を調整できる余地を残すことが大切だと考えています。
対策5 退職時期を半年から1年動かせるようにする
最後の対策は、53歳での退職日を絶対条件にしないことです。
2030年4月末の退職を目標にしていますが、
その直前に金融資産が30%近く減少した場合、
半年から1年、会社員を続ける選択肢も残しておきます。
仮に手取り収入から年間300万円を追加で貯蓄できれば、
1年退職を延ばすことで、
- 生活費の取り崩しを1年遅らせられる
- 追加の現金を準備できる
- 社会保険料を会社と折半できる
- 株価の回復を待つ時間を確保できる
という効果があります。
53歳で辞めるという目標は大切ですが、
その日付を守るために資産を安値で大量売却するのは、
私が望む退職ではありません。
「53歳で必ず辞める」ではなく、
「53歳以降、条件が整った時点で辞める」と考えたほうが、
精神的にも余裕を持てそうです。
暴落しても辞められる状態を目指す
株価がいつ暴落するかを予測することはできません。
私が準備できるのは、予測を当てることではなく、
外れても生活できる仕組みを作ることです。
退職前に確認したいのは、次の5つです。

資産8,500万円があっても、すべてが株式であれば、
暴落直後の生活費には使いにくくなります。
反対に、十分な現金と値動きの小さい資産があれば、
株価が下落しても回復を待てる可能性が高まります。
退職できるかどうかは、資産額だけで
決まるものではありません。
「暴落したときに株式を売らずに何年間暮らせるか」も、
同じくらい重要です。
私は2030年4月の退職を目指していますが、
株価が上がり続けることを前提にはしません。
退職直前に暴落しても慌てず、生活と投資を続けられる
状態を作ったうえで、最後の判断をしたいと思います。
参考にした資料
- 金融庁「第4回 リスクとコストはコントロールできる」
- 金融庁「教えて虫とり先生(第10回)」
- S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス「S&P 500」
- S&Pグローバル「Equity Market Valuation」
※本記事は過去の市場データをもとにした個人的な資金計画です。
将来の運用成果や株価回復を保証するものではありません。




