「50代で会社を辞めるなら、
配当金はいくらあれば安心できるのだろう」
最近、私はこのことをよく考えています。
現在48歳。
2030年ごろ、53歳前後で会社を退職することが目標です。
前回の記事では、
53歳で退職してから年金を受け取る65歳まで、
12年間で約5,040万円の生活費が必要になると書きました。
私が想定している生活費は月35万円、年間420万円です。
もちろん、
配当金だけで年間420万円をすべて賄えれば理想的です。
しかし、そのためにはかなり大きな元本が必要になります。
私自身は、配当金だけで暮らすことを
目指しているわけではありません。
退職金、現金、副業収入、企業年金、公的年金、資産の取り崩し。
これらに配当金を組み合わせ、会社員収入がなくなった後の
生活を支えたいと考えています。
今回は、年間配当金が60万円、120万円、150万円に
なった場合、生活費をどのくらい補えるのかを比較します。
退職後の生活費は月35万円で考えている
総務省統計局の「家計調査」によると、
2025年の二人以上世帯の消費支出は、
1世帯当たり月31万4,001円でした。
私が想定している月35万円は、
この平均より約3万6,000円多い金額です。
ただ、53歳で退職した直後から生活費が大きく
下がるとは考えていません。
住宅関連費や車の維持費、税金、社会保険料に加え、
子どもの教育費や親の介護費用が残る可能性もあります。
家電の買い替えや旅行など、毎月は発生しない支出もあります。
そのため、少し余裕を持って月35万円を基準にしています。
年間では420万円です。
この420万円に対して、
配当金がどの程度の役割を果たすのかを比較すると、
次のようになります。

配当金が年間60万円でも、生活費の約14%を補えます。
年間120万円なら約29%、年間150万円なら約36%です。
配当金だけで生活できなくても、
生活費の3割前後を継続的に補えれば、
退職後の安心感はかなり変わると私は考えています。
年間60万円は、最初の大きな目標になる
年間配当金60万円は、月平均にすると5万円です。
月5万円だけを見ると、「これだけでは会社を辞められない」
と感じるかもしれません。私も、配当金が月5万円あるだけで
退職できるとは考えていません。
それでも、月5万円は小さくない金額です。
例えば、光熱費、通信費、保険料など、
毎月発生する支出の一部を配当金で賄えるようになります。
53歳から65歳までの12年間では、
60万円×12年=720万円
になります。
配当金を一切受け取れない場合と比べれば、
資産の取り崩しを720万円抑えられる計算です。
年間60万円はゴールではありませんが、
「会社員収入以外から年間60万円が入ってくる」という
意味では、大きな節目だと思います。
年間120万円なら生活費の約3割を補える
年間配当金120万円は、月平均10万円です。
私自身が退職までに目指したい最低ラインも、
年間120万円です。
生活費420万円に対して配当金が120万円あれば、
残りは年間300万円。月平均では25万円になります。
53歳から65歳までの12年間で考えると、
120万円×12年=1,440万円
です。
前回の記事では、
53歳から65歳までに必要な生活費を約5,040万円と計算しました。
そのうち1,440万円を配当金で補えれば、残りは約3,600万円です。
この3,600万円を、退職金、現金、副業収入、企業年金、
運用資産の取り崩しで準備することになります。
5,040万円をすべて現金で用意するのは難しく感じますが、
配当金によって必要額が3,600万円まで下がると、
少し現実的に見えてきます。
私はこの「月10万円」が、50代退職を考えるうえで
一つの大きな境目になると考えています。
年間150万円あれば安心感はさらに高まる
年間配当金150万円は、月平均12万5,000円です。
生活費420万円の約36%を補い、
残る生活費は年間270万円、
月平均22万5,000円になります。
12年間では、
150万円×12年=1,800万円
です。
必要生活費5,040万円から差し引くと、
残りは約3,240万円です。
年間120万円と150万円の差は、年間では30万円ですが、
12年間では360万円になります。
この360万円があれば、退職後の生活防衛資金を厚くしたり、
株価が下落したときに資産の売却を避けたりできます。
そのため、私の配当金目標は年間120万~150万円です。
ただし、150万円という数字を急いで目指し、
無理に高配当商品へ資金を集中させるつもりはありません。
配当金を得るには、どのくらいの元本が必要か
必要な投資元本は、配当利回りによって変わります。
単純計算すると、次のようになります。

年間120万円の配当金を得るには、利回り3%なら4,000万円、
利回り4%なら3,000万円の投資元本が必要です。
年間150万円なら、利回り3%で5,000万円、
利回り4%でも3,750万円になります。
この表を見ると、配当金だけで生活費420万円を
すべて賄うことが、かなり難しいと分かります。
仮に利回り4%で計算しても、年間420万円を得るには
約1億500万円が必要です。
だからこそ私は、配当金だけで暮らすのではなく、
成長資産も持ちながら、必要な分だけ取り崩す方法を
考えています。
「税引き前」と「税引き後」を分けて考える
注意したいのは、配当金には税金がかかる場合があることです。
国税庁によると、課税口座で受け取る上場株式などの配当には、
原則として20.315%の税金がかかります。
単純に20.315%を差し引くと、手取り額は次のようになります。
| 税引き前の配当金 | 課税口座での手取り目安 |
| 60万円 | 約47万8,000円 |
| 120万円 | 約95万6,000円 |
| 150万円 | 約119万5,000円 |
年間120万円の配当金があっても、すべて課税口座なら、
実際に使える金額は約96万円です。
一方、金融庁のNISA特設サイトでは、
NISA口座で保有する金融商品から得られる
配当金や分配金は非課税と説明されています。
私自身も、
新NISAではSBI・SCHDやSBI日本高配当株式などの
配当資産を増やしています。
ただし、外国株や投資信託では、現地課税や商品の仕組み
などによって受取額が変わる場合があります。
「年間配当金120万円」という数字だけで安心せず、
実際の手取り額を確認する必要があります。
65歳以降は年金と配当金を組み合わせる
日本年金機構によると、
老齢基礎年金と老齢厚生年金は原則65歳から受給できます。
現在の試算では、私たち夫婦の公的年金は合計で月21万円前後、
年間約252万円を想定しています。
生活費420万円との差額は、年間168万円です。
ここに配当金を加えると、65歳以降の不足額は次のようになります。

年間配当金が120万円あれば、年金と合わせて年間372万円です。
不足するのは年間48万円、月平均では4万円になります。
年間150万円なら、不足額は年間18万円、月平均1万5,000円です。
この数字を見ると、
私は年間120万~150万円を目標にする意味があると感じます。
配当金だけで生活する必要はありません。
公的年金が始まる65歳以降まで含めて考えれば、
年間120万円でも老後の生活をかなり支えてくれます。
私は配当金だけに頼らない
配当金には、定期的に現金が入ってくる安心感があります。
一方で、減配や無配、株価下落、為替変動などのリスクもあります。
利回りだけを見て投資すると、元本が大きく減る可能性もあります。
そのため私は、
オルカンやNASDAQ100などの成長資産を持ちながら、
SBI・SCHDやSBI日本高配当株式、現金、日本国債変動10年を
組み合わせる方針です。
2028年末までは資産拡大を重視し、
2029年以降は少しずつ守りを強めていく予定です。
年間配当金120万~150万円は、
私にとって退職の条件そのものではありません。
生活費、現金、退職金、副業収入、企業年金、公的年金まで
確認したうえで、退職後の生活を支える一つの柱として考えています。
50代で会社を辞めるなら、配当金はいくら必要なのか。
その答えは、家庭によって違います。
私の場合は、
生活費420万円の約3割を補える年間120万円が最初の目標です。
そして無理なく届くのであれば、年間150万円まで増やしたいと
考えています。
大切なのは、高い利回りを追いかけることではありません。
自分の年間生活費に対して、配当金が何%を補ってくれるのか。
税引き後に実際はいくら使えるのか。
最後は、利回りの高さではなく、
自分の生活に必要な数字で判断したいと思います。




