新NISAで投資をしていると、必ず迷うテーマがあります。
それは、
「高配当ETFをどれくらい持つべきか」という問題です。
・オルカンやS&P500のような成長資産を中心にした方がよいのか
・SCHDやVYMのような高配当ETFも組み入れた方がよいのか
・高配当ETFを買うなら、資産全体の何%くらいまでが現実的なのか
私自身も、50歳サイドFIREを目指す中で、
このテーマはかなり気になっています。
資産を大きく増やすなら、分配金を出さずに内部で再投資される
低コストインデックスファンドの方が効率的な場面は多いと思います。
一方で、40代後半になってくると、「将来の生活費をどう支えるか」
という視点も無視できません。
今回は、新NISAで高配当ETFを買うなら何%までが現実的か、
40代会社員目線で数字を使って整理します。
なお、この記事は特定の商品をすすめるものではありません。
投資判断は、年齢、家族構成、収入、住宅ローン、退職時期、
リスク許容度によって変わります。あくまで私自身の考え方と
して読んでいただければと思います。
新NISAの枠は大きいが、無限ではない
まず確認したいのが、新NISAの枠です。
金融庁によると、新NISAでは、つみたて投資枠が年間120万円、
成長投資枠が年間240万円、合計で年間360万円まで投資できます。
非課税保有限度額は1,800万円で、そのうち成長投資枠は1,200万円
までです。
この枠は非常に大きいです。
ただし、無限ではありません。
高配当ETFに多く使えば、その分、オルカン、S&P500、
NASDAQ100などの成長資産に使える枠は少なくなります。
ここが新NISAで高配当ETFを考えるうえで一番大事なポイントです。
高配当ETFは、分配金を受け取れる安心感があります。
しかし、分配金をまだ生活費に使わない段階では、
再投資の手間が発生します。
また、資産形成期には、分配金を出さずに内部で再投資される
投資信託の方が効率的な場合もあります。
つまり、新NISAで高配当ETFを買うなら、
「今の配当金が欲しいのか」
「将来の生活費を支える準備なのか」
「資産全体の成長をどこまで優先するのか」
を整理しておく必要があります。
高配当ETFの魅力は「生活費カバー率」が見えること
高配当ETFの最大の魅力は、毎年の分配金が見えやすいことです。
たとえば、SCHDの公式ページでは経費率0.060%、
VYMはバンガード公式ページで経費率0.04%とされています。
どちらも米国配当ETFとして低コストで長期保有しやすい商品です。
もちろん、経費率が低いから必ず良いというわけではありません。
大切なのは、自分の生活費をどれくらい支えられるかです。
私の場合、退職後の夫婦2人の生活費は月35万円、
年間420万円をひとつの目安にしています。
仮に税引き後の年間配当金が150万円あれば、
150万円 ÷ 420万円 = 約36%
生活費の約36%を配当金でカバーできる計算です。
この「生活費カバー率」は、40代会社員がサイドFIREを
考えるうえでかなり重要だと思っています。
完全FIREではなくサイドFIREなら、生活費の100%を
配当金でまかなう必要はありません。
生活費の20%、30%、40%を配当金で支えられれば、
働き方の選択肢はかなり変わります。
高配当ETFは何%までが現実的か
では、新NISAや資産全体の中で、高配当ETFは何%
までが現実的なのでしょうか。
私の結論は、40代会社員なら、まずは
資産全体の20〜30%までをひとつの目安にしたいです。
ただし、年齢や目的によって変わります。
かなりざっくり整理すると、次のようなイメージです。
40代前半:高配当ETFは10〜20%
40代後半:高配当ETFは20〜30%
50代目前:高配当ETFは30〜40%
退職後:配当資産・債券・現金を厚めにする
これはあくまで私の考える目安です。
40代前半なら、まだ資産を増やす時間があります。
この段階では、オルカン、S&P500、NASDAQ100などの
成長資産を中心にして、高配当ETFは控えめでもよいと思います。
一方で、40代後半から50代目前になると、退職後の
キャッシュフローを考える時期に入ってきます。
この段階では、高配当ETFを20〜30%、場合によっては
30〜40%まで増やす選択肢も出てきます。
ただし、いきなり高配当ETFに大きく寄せるのは
慎重に考えたいです。
理由は、配当金があっても株価下落や為替リスクは
避けられないからです。
具体例:資産1,000万円の場合
ここからは、資産額別にイメージしてみます。
たとえば、新NISAや特定口座を含めた
投資資産が1,000万円あるとします。
高配当ETFの比率を20%にするなら、200万円。
30%にするなら、300万円。
40%にするなら、400万円です。
仮に高配当ETFの税引き後利回りを3%とすると、
年間配当金は次のようになります。
200万円 × 3% = 年6万円
300万円 × 3% = 年9万円
400万円 × 3% = 年12万円
月換算では、5,000円から1万円程度です。
正直、この段階では生活費を大きく支える
ほどではありません。
しかし、通信費の一部、サブスク代、日用品代の
一部をまかなうイメージはできます。
資産1,000万円の段階では、高配当ETFに大きく
寄せるより、まずは成長資産を中心にして資産全体を
増やす方が現実的だと感じます。
具体例:資産3,000万円の場合
次に、投資資産が3,000万円ある場合です。
高配当ETFを20%にすると600万円。
30%なら900万円。
40%なら1,200万円です。
税引き後利回り3%で見ると、
600万円 × 3% = 年18万円
900万円 × 3% = 年27万円
1,200万円 × 3% = 年36万円
月換算では1.5万円から3万円です。
ここまで来ると、固定費の一部を支える力が出てきます。
スマホ代、保険料、電気代、ガソリン代、外食費の一部など、
生活費の一部を配当金でまかなうイメージができます。
ただ、年間生活費420万円に対しては、まだ生活費カバー率は4〜9%程度です。
この段階では、高配当ETFを持つ意味は「生活費を支える」
というより、「将来の配当金生活に向けた準備」に近いと思います。
具体例:資産5,000万円の場合
投資資産が5,000万円になると、見え方が変わります。
高配当ETFを20%にすると1,000万円。
30%なら1,500万円。
40%なら2,000万円です。
税引き後利回り3%で見ると、
1,000万円 × 3% = 年30万円
1,500万円 × 3% = 年45万円
2,000万円 × 3% = 年60万円
月換算では2.5万円から5万円です。
年間生活費420万円に対する生活費カバー率は、
年30万円:7.1%
年45万円:10.7%
年60万円:14.3%
このあたりから、配当金の存在感が少しずつ大きくなります。
ただし、まだ配当金だけで生活できる水準ではありません。
サイドFIREを考えるなら、配当金に加えて、副収入、
資産取り崩し、現金、債券、年金開始までの期間を
セットで考える必要があります。
具体例:資産8,000万円の場合
最後に、投資資産が8,000万円ある場合です。
高配当ETFを20%にすると1,600万円。
30%なら2,400万円。
40%なら3,200万円です。
税引き後利回り3%で見ると、
1,600万円 × 3% = 年48万円
2,400万円 × 3% = 年72万円
3,200万円 × 3% = 年96万円
月換算では4万円から8万円です。
年間生活費420万円に対する生活費カバー率は、
年48万円:約11.4%
年72万円:約17.1%
年96万円:約22.9%
ここまで来ると、高配当ETFは生活費を支える
柱のひとつになってきます。
ただ、生活費のすべてを支えるにはまだ足りません。
仮に配当金96万円、副収入60万円があったとしても、
年間生活費420万円に対して不足額は264万円です。
420万円 − 96万円 − 60万円 = 264万円
この不足分を、資産取り崩しや他の収入でどう補うか。
ここまで考えて、ようやくサイドFIREの現実感が出てきます。
私なら高配当ETFは30%前後を上限に考える
私自身は、現役会社員の間は、高配当ETFを
資産全体の30%前後までに抑えたいと考えています。
理由は、まだ資産を増やす期間でもあるからです。
50歳サイドFIREを目指しているとはいえ、
今はまだ会社員としての収入があります。
この期間は、オルカン、NASDAQ100、QQQMなどの
成長資産も大切にしたいです。
一方で、退職が近づくにつれて、SCHD、VYM、日本高配当株、
1489などの配当資産も増やしていきたいと考えています。
私のイメージでは、
・現役中:成長資産70%、高配当ETF・配当株20〜30%、債券・現金10%前後
・退職前:成長資産50〜60%、配当資産30〜40%、債券・現金10〜20%
・退職後:配当資産、債券、現金をさらに厚めにする
このような流れです。
もちろん、これは私自身の考え方です。
住宅ローン、教育費、親の介護、退職金、年金見込み、
家族の理解によって変わります。
高配当ETFに偏りすぎるリスク
高配当ETFは魅力的ですが、偏りすぎには注意したいです。
まず、分配金は保証されません。
景気後退や企業業績の悪化で減配する可能性があります。
次に、株価下落リスクがあります。
高配当ETFでも、株式である以上、価格は大きく下がることがあります。
さらに、米国ETFの場合は為替リスクもあります。
円高になれば、円換算の配当金や資産額は減ります。
だからこそ、高配当ETFだけでなく、成長資産、債券、
現金、日本円の配当資産も組み合わせたいです。
金融庁も、資産形成の基本として「長期・積立・分散投資」の
考え方を示しています。投資では元本割れのおそれがある一方で、
長期投資、積立投資、分散投資を活用することで、不安と
付き合いながら資産形成に取り組む考え方が紹介されています。
私も、まさにこの考え方が40代会社員には重要だと思っています。
まとめ:高配当ETFは20〜30%から考えたい
新NISAで高配当ETFを買うなら何%までか。
私の考えでは、40代会社員ならまずは20〜30%を目安にしたいです。
40代前半なら10〜20%。
40代後半なら20〜30%。
50代目前なら30〜40%も検討。
退職後は配当資産・債券・現金を厚めにする。
このように、
年齢と目的に応じて比率を変えるのが現実的だと思います。
ただし、大切なのは比率そのものではありません。
・生活費はいくらか
・配当金で何%カバーしたいか
・取り崩しはいくらまで許容できるか
・成長資産とのバランスは取れているか
・新NISAの限られた枠をどう使うか
ここを数字で見ることが大切です。
私自身も、高配当ETFは30%前後を上限にしながら、
成長資産、配当資産、債券、現金を組み合わせて
いきたいと考えています。
感覚ではなく、数字で判断する。
高配当ETFを何%持つかも、最終的には自分の
生活費とサイドFIRE計画から逆算して考えたいです。
なお、この記事は特定のETFや投資商品の購入を
すすめるものではありません。投資には元本割れの
リスクがあり、分配金や運用成果も将来保証される
ものではありません。
年齢、家族構成、収入、住宅ローン、退職時期、
リスク許容度によって適切な資産配分は変わります。
最終的な投資判断は、ご自身の状況に合わせて慎重に
行ってください。




