「住宅ローンが残っているうちは、会社を辞められない」
以前の私は、漠然とそう思っていました。
現在48歳。住宅ローンの残高は約3,100万円あり、
金利は固定1.18%です。
一方で、
私が目標にしている退職時期は2030年4月、53歳前後です。
今のペースでは、退職時にも住宅ローンは残っています。
50代で会社を辞めたい気持ちはありますが、
毎月安定して入ってくる給料がなくなった後も
住宅ローンを返し続けられるのか。
正直、不安がないわけではありません。
ただ、最近は
「住宅ローン残高がゼロにならなければ退職できない」と
考える必要はないのでは、と思うようになりました。
大切なのはローン残高そのものではなく、退職後の
毎月の返済額、手元の現金、自宅を売却する選択肢、
年金開始後の収支まで含めて考えることです。
今回は、住宅ローンが残ったまま53歳で退職できるか、
私自身が確認したい5つの判断基準を整理します。
私の現在の住宅ローンと退職計画
まず、現在の前提を整理します。
| 項目 | 私の場合 |
|---|---|
| 現在の年齢 | 48歳 |
| 目標退職年齢 | 53歳前後 |
| 住宅ローン残高 | 約3,100万円 |
| 住宅ローン金利 | 固定1.18% |
| 退職後の生活費 | 月35万円 |
| 年間生活費 | 420万円 |
| 65歳以降の夫婦の年金見込み | 月約21万円 |
| 退職前に準備したい現金 | 生活費1〜2年分 |
総務省統計局の「家計調査」によると、
2025年の二人以上世帯の消費支出は、
1世帯当たり月31万4,001円でした。
私が想定している月35万円は、
この平均より約3万6,000円多い金額です。
住宅ローンだけでなく、管理費、修繕積立金、固定資産税、
教育費、車の維持費、親の介護なども考えると、
退職した直後から生活費が大きく下がるとは考えていません。
そのため、少し余裕を持たせて月35万円で計算しています。
判断基準1 住宅ローンを含めて月35万円で暮らせるか
最初に確認したいのは、住宅ローン残高ではなく、
退職後の毎月の支出です。
仮に住宅ローンが3,100万円残っていても、
毎月の返済を含めて月35万円以内で生活できるなら、
資金計画は立てられます。
反対に、
生活費35万円とは別に住宅ローンの返済が必要なら、
想定している年間生活費420万円では足りません。
私自身も、
退職前には次の費用をすべて洗い出す必要があります。
- 住宅ローン返済額
- マンションの管理費・修繕積立金
- 固定資産税
- 火災保険・地震保険
- 将来のリフォーム費用
- 駐車場代や車の維持費
「毎月の生活費」に住宅関連費がどこまで含まれているのか。
この確認が曖昧なままでは、退職後の収支も曖昧になります。
私の場合は、住宅ローンを含む住居費を織り込んだうえで、
月35万円以内に収まるかを判断基準にします。
判断基準2 繰り上げ返済後も十分な現金が残るか
住宅ローンがあると、
「退職金で一括返済したほうが安心では」と考えてしまいます。
住宅金融支援機構によると、一部繰り上げ返済には、
毎月の返済額を変えずに期間を短くする「期間短縮型」と、
返済期間を変えずに毎月の返済額を減らす「返済額軽減型」
があります。
全国銀行協会も、繰り上げ返済によって元金に対応する利息を
減らせる一方、無理な返済は避け、余裕資金から行うことが
大切だと説明しています。
私の住宅ローン金利は固定1.18%です。
現在の残高3,100万円に1.18%を掛けると、
単純計算で1年間の利息は約36万5,800円です。
実際の利息は元金の減少や返済条件によって変わりますが、
金利負担を考える目安にはなります。
仮に1,000万円を繰り上げ返済すると、
その1,000万円に対する初年度の利息軽減効果は
単純計算で約11万8,000円です。
利息は減りますが、手元の現金も1,000万円減ります。
53歳で退職する場合、私は生活費1〜2年分、
約420万〜840万円の現金を確保したいと考えています。
さらに教育費、親の介護、住宅修繕などの予備費も必要です。
退職直前に現金を大きく減らしてまで繰り上げ返済すると、
株価下落や急な出費が発生したときに、運用資産を
安値で売却することになるかもしれません。
私の場合は、住宅ローンを減らすことより、
退職直後に使える現金を残すことを優先します。
判断基準3 金利の低さだけで返済継続を決めない
固定金利1.18%は、
現在の私にとって大きな負担感のある金利ではありません。
そのため、
「運用を続けたほうが住宅ローン金利より高いリターンを得られる」
と考えることもできます。
ただし、住宅ローン金利は確定した支出ですが、
投資の利益は確定していません。
株式市場が好調な年もあれば、大きく下落する年もあります。
退職直後に相場が下落すれば、住宅ローンの返済と生活費の
ために資産を取り崩す負担が大きくなります。
私は、住宅ローン金利と運用利回りを単純に比較して、
どちらが得かを決めるつもりはありません。
返済を続けるなら、その分の現金や配当収入を別に確保しておく。
繰り上げ返済をするなら、生活防衛資金を減らしすぎない。
金利だけでなく、
退職後の安心感と手元資金のバランスで考えたいと思います。
判断基準4 自宅を売却する選択肢があるか
住宅ローンが残っていても、
自宅の売却価格がローン残高を上回っていれば、
住み替えや売却によってローンを完済できる可能性があります。
私の場合、将来的には現在のマンションを売却し、
実家を改修して住む計画があります。
現時点では、ローン返済や売却費用を差し引いた後に、
2,000万円前後を残せる可能性があると考えています。
もちろん、現在の査定額で必ず売れるとは限りません。
不動産価格の下落、仲介手数料、登記費用、引っ越し費用、
リフォーム費用なども考える必要があります。
それでも「売却すればローンを整理できる」という出口が
あることは、退職を考えるうえで大きな安心材料です。
逆に、自宅の売却価格がローン残高を下回る場合や、
売却する意思がまったくない場合は、より慎重な
資金計画が必要になります。
判断基準5 65歳以降も無理なく返済できるか
日本年金機構によると、
老齢基礎年金と老齢厚生年金は原則65歳から受給できます。
現在の試算では、私たち夫婦の年金は合計で月21万円前後、
年間約252万円になる見込みです。
生活費を年間420万円とすると、
年金との差額は年間168万円です。
仮に年間120万円の配当金を受け取れれば、
252万円+120万円=372万円
となり、不足額は年間48万円、月平均4万円です。
ただし、
年間420万円の生活費に住宅ローン返済額が含まれて
いなければ、実際の不足額はさらに大きくなります。
退職前には、住宅ローンの完済年齢と
65歳時点の残高を必ず確認したいと思います。
また、団体信用生命保険の保障内容や、
繰り上げ返済をした場合の扱いも確認が必要です。
53歳から65歳まで返済できるかだけでなく、
年金生活に入った後も無理なく返せるか。
ここまで確認して、初めて
「住宅ローンを残して退職できる」と判断できます。
繰り上げ返済と返済継続を比較する

どちらが正解かは、住宅ローン金利、残りの返済期間、
現金、家族構成によって変わります。
私の場合は、固定金利1.18%であること、自宅売却という
出口があること、退職前に現金を増やしたいことから、
今すぐ大きな繰り上げ返済をする予定はありません。
住宅ローンが残っていても退職はできる
住宅ローンが残っているだけで、
53歳退職を諦める必要はないと考えています。
私が退職前に確認したいのは、次の5つです。

この5つを確認し、無理なく返済できる見通しが立てば、
住宅ローンを残したまま退職する選択肢はあると思います。
私自身、まだ53歳での退職が確定したわけではありません。
今後の資産額、教育費、親の介護、自宅の査定価格に
よって計画は変わります。
それでも、「住宅ローンが残っているから無理」と
感覚だけで諦めるのではなく、毎月の返済額、現金、
売却価格、年金開始後の収支を一つずつ確認していきます。
最後は、住宅ローン残高の大きさだけではなく、退職後も
返済を続けられるかを数字で判断したいと思います。




