会社員収入があるうちにやっておきたいお金の準備|40代後半からの退職戦略

FIRE計画・ライフプラン

「会社を辞めたい」と考えたとき、多くの人が最初に確認するのは
金融資産の総額ではないでしょうか。

私も同じです。48歳の現在、最短では2030年4月、
53歳での退職を目標
にしています。
金融資産は約5,800万円まで増えましたが、それだけで不安が
消えたわけではありません。
毎月の生活費は約35万円。住宅ローンや娘の教育費も
残っています。
仮に資産が増えても、退職直後に使える現金が少なければ、
相場が下落した時期に投資商品を売ることになりかねません。

そこで最近は、「退職後に何をするか」より、
「会社員収入があるうちに何を終わらせるか」を重視しています。
今回は、40代後半の会社員が退職前に準備しておきたいお金
について、私自身の数字を交えながら整理します。

1.退職初年度の支出を、生活費とは別に見積もる

退職後の資金計画で見落としやすいのが、税金と社会保険料です。
収入が減ればすぐ負担も軽くなると思いがちですが、
住民税の所得割は前年1年間の所得をもとに計算されます。
福岡市も、給与所得者の住民税は6月から翌年5月まで給与から
徴収し、退職後は普通徴収などに切り替わると説明しています。

つまり、年収約1,000万円で働いた翌年に退職すると、
収入がなくなっても前年所得に対する住民税の支払いが残ります。
実際の金額は家族構成や各種控除で変わりますが、
私は退職初年度の税金・社会保険料として180万円の
予備枠を置くつもり
です。
これは正確な税額予測ではなく、健康保険や年金まで
含めて資金不足を防ぐための安全枠です。

健康保険は、退職後に「任意継続」「国民健康保険」
「家族の扶養」などを比較する必要があります。
協会けんぽの任意継続では、在職中に会社と折半していた
保険料を本人が全額負担するため、原則として退職時の
本人負担額の2倍
になります。
ただし上限があり、標準報酬月額が32万円を超える場合は
32万円
で計算されます。加入している健康保険組合に
よって条件が異なるため、私は退職前年に会社の担当部署と
自治体の両方で見積もりを取る予定です。

また、60歳未満で厚生年金から外れ、配偶者の扶養にも
入らない場合は国民年金への切り替えが必要です。
日本年金機構によると、2026年度の国民年金保険料は
月額1万7,920円1年間なら21万5,040円です。
月額で見ると小さく感じますが、住民税や健康保険と
重なると無視できません。

2.「生活防衛資金」と「退職準備資金」を分ける

会社員の生活防衛資金は、一般に生活費の6か月分などといわれます。
しかし、50代で会社を辞める場合、私は6か月分だけでは少ないと
考えています。
毎月35万円なら6か月分は210万円、1年分は420万円です。

私が目標にする退職時の現金は合計700万円です。
内訳は、生活費12か月分420万円、税金・社会保険料の
予備枠180万円、住宅設備の故障や医療費などの
臨時支出100万円。
退職金約1,000万円を受け取る予定でも、最初から
全額を投資には回しません。

退職直後に株価が30%下落しても、1年間は投資資産を
売らずに暮らせる。
この状態を作ることが、私にとっての安心です。
現金は値上がりしませんが、相場が悪いときに
売らなくて済む「時間」を買ってくれます。

3.NISAは満額より、退職時の現金との両立を優先する

金融庁によると、新NISAは年間最大360万円非課税保有
限度額は1人1,800万円
です。
非常に有利な制度ですが、非課税枠を埋めること自体が
目的になってはいけないと思っています。

私も2028年末までに新NISAの1,800万円を埋める計画です。
ただし、投資額を優先しすぎて現金が不足すれば、
退職前後の支出に備えて資産を売ることになります。
今後は給与と賞与から退職準備資金を先に確保し、
その残りでNISAを続ける方針です。

たとえば年間360万円を投資できても、現金の積み増しが
ゼロなら、あえて投資額を年間300万円に落とし、
差額60万円を現金で残す選択もあります。
非課税メリットは大切ですが、退職日が近づくほど
「期待リターン」より「必要な時期に必要なお金があること」を
優先すべき
だと考えています。

4.退職金・企業年金・雇用保険を一覧にする

退職前には、会社から受け取れるお金も確認しておきたい
ところです。
私の場合、現時点の見込みは退職金約1,000万円、60歳で
受け取る企業年金が約1,200万円です。
ただし、同時に使えるお金ではありません。
53歳で退職するなら、企業年金を受け取るまで
約7年間の空白があります。

退職金の税制も確認が必要です。国税庁によると、
退職所得控除は勤続20年以下なら「40万円×勤続年数」
20年を超える部分は1年につき70万円が加算されます。
仮に勤続25年なら、控除額は800万円+70万円×5年=1,150万円。
退職金が1,000万円なら、ほかの退職給付との重複などが
なければ控除額の範囲内に収まる計算です。
企業年金や確定拠出年金を別の年に受け取る場合はルールが
複雑になるため、受取時期は税理士や制度窓口にも確認
するつもりです。

企業型確定拠出年金については、退職後の手続きも重要です。
iDeCo公式サイトでは、資格喪失後6か月以内に手続きを
しないと国民年金基金連合会へ自動移換される場合がある

案内しています。
退職後は手続きが集中するため、口座番号や規約、
問い合わせ先を在職中にまとめておくと安心です。

雇用保険の基本手当も、退職後すぐ無条件でもらえるわけでは
ありません。
厚生労働省によると、自己都合退職では7日間の待期後、
原則1か月の給付制限が
あります。
また、基本手当は「働く意思と能力があり、求職活動をしていること」
が前提です。
開業準備に専念する場合などは扱いが異なる可能性があるため、
最初から生活費に全額織り込まず、受給条件をハローワークで
確認する必要があります。

5.大きな借入や固定費の見直しは在職中に行う

私には、退職後に実家を改修し、自家焙煎コーヒー店と
クレープ店を開業する計画
があります。
改修資金の借入を考えるなら、安定した給与収入があるうちに
金融機関へ相談することが重要
だと考えています。
退職後は事業計画や自己資金が審査の中心になり、
会社員時代と同じ条件で借りられるとは限らないからです。

ただし、「借りられるうちに最大限借りる」という意味では
ありません。
住宅ローン、教育費、開業資金を同時に抱えても返済できるかを
確認し、必要なら借入額や改修規模を下げることも選択肢です。

同時に、保険、通信費、サブスク、自動車費などの固定費も
退職前に見直し
ます。
月2万円減らせれば年間24万円、10年間で240万円です。
運用で毎年24万円を安定して増やすのは簡単ではありませんが、
固定費削減の効果は相場に左右されません

まとめ|退職準備は、辞める日から逆算する

40代後半になると、資産を増やす時間だけでなく、会社員という
信用と収入を活用できる時間も限られてきます。

私が会社員のうちに進めたいのは、
①退職初年度の税金と社会保険料を見積もる
②現金700万円を確保する
③NISAと現金準備を両立する
④退職金・企業年金・雇用保険の条件を確認する
⑤借入と固定費を整理する

の5つです。

総資産がいくらあれば絶対に安心、という答えはありません。
家族構成、生活費、住宅ローン、退職後の働き方によって
必要額は変わります。
だからこそ、私は「資産額」だけでなく、
「退職後1年間を投資資産の売却なしで乗り切れるか」を
基準
にします。

会社を辞める決断は、勢いだけではできません。
しかし、準備を数字に変えれば、不安の正体は少しずつ
見えてきます。
会社員収入がある今は、我慢するだけの期間ではなく、
将来の選択肢を増やすための大切な準備期間だと考えています。


※税金・社会保険料・各種給付は、家族構成、所得、加入制度、
退職理由などで異なります。
実際の退職時には、勤務先、自治体、年金事務所、ハローワーク、
税理士などへご確認ください。

参考資料

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